2013年2月19日火曜日

ウォーレスはどこに?











「ウォーレスはどこに?」(ヒラリー=ナイト/作 きじまはじめ/訳 講談社 1983)

ウォーレスは、美しい長いオレンジ色の毛と、きらきら光る黒い目をもったオランウータンです。小さな動物園にすんでいて、とてもにこにこしてご機嫌なので、ウォーレスの檻はいつも笑っているひとたちに囲まれています。

ある日、お洒落な見物人の服をちょっと着てみたいと思ったウォーレスは、檻の扉が開いているのをみつけました。「2、3時間なら、だれもなんとも思わないさ」と、ウォーレスは貯金箱をもって、檻から抜けだして──。

絵のどこかにいるウォーレスをみつけるという、「ウォーリーをさがせ」(マーティン・ハンドフォード/作 唐沢則幸/訳 フレーベル館 1987)や、「とこちゃんはどこ」と同趣向の絵本です。物語と、見開きの絵が交互にあらわれるという構成。絵には建物やひとが細ごまとえがかれていて、そのどこかにウォーレスがいます。さて、デパートにでかけたウォーレスは、背広を新調し、帽子をえらんでいるところを、飼育係のフランビーさんにみつかります。そして、動物園にもどるのですが、フランビーさんから恐竜の話を聞くと、こんどは自然博物館にでかけます。その後もウォーレスは、ピクニックにいったり、サーカスをみたり、野球場にでかけたり──。絵をよくよくみると、どの絵にも登場する三毛猫や水玉の服を着た女の子いて、ついウォーレス以外のひとたちまでさがしてしまいます。読み終わるのに、大変時間がかかる一冊です。小学校低学年向き。

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