2013年5月24日金曜日

グーテンベルクのふしぎな機械















「グーテンベルクのふしぎな機械」(ジェイムズ・ランフォード/作 千葉茂樹/訳 あすなろ書房 2013)

1450年ごろ、ドイツのマインツ市に、不思議なものが登場しました。それは、ぼろきれと骨、まっ黒なススと植物の種からできていて、茶色のコートを身にまとい、金が散りばめられていました。

物乞いの服や、ご婦人の下着、紳士のシャツなどからあつめたぼろきれを細かく切りきざみ、水で洗って水車の力で叩いてほぐし、ドロドロにします。このパルプと呼ばれるものを、すのこですくい上げ、押しつぶし、乾燥させ、動物の骨や皮や角やひづめなどを煮てつくった、あたたかい糊にひたし、もう一度押しつぶして乾燥させると、固くなって、風に吹かれるとパリパリカサカサ音を立てます。ぼろきれと骨からつくられたこのシート、一体なんでしょう? そう、それは紙──。

グーテンベルクがつくった、印刷機と呼ばれるふしぎな機械と、その機械でつくった本についてえがいた知識絵本です。絵は、おそらくCGをつかったもの。さて、本をつくるには、まず紙と革と金箔とインク、それから活字と印刷機が必要です。すべての準備が整ったところで、いよいよグーテンベルクが登場。活字を組み、インクをつけ、巨大な木のねじのハンドルをまわして、紙に印刷していきます──。当時の紙やインクの製造法から、印刷機のつかいかたまで、よく調べられた一冊です。小学校高学年向き。

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