2013年5月21日火曜日

かえでの葉っぱ














「かえでの葉っぱ」(デイジー・ムラースコヴァー/文 関沢明子/訳 出久根育/絵 理論社 2012)

大きな崖に、カエデの木が1本立っていました。そのてっぺんには、1枚の大きな葉っぱがついていました。「ぼくが木から落ちるときは、うんと遠くまでいくんだ」と、葉っぱは思っていました。ある日の午後、葉っぱは木からふわりとはなれました。でも、すぐ下の大きな石のあいだに落ちてしまいました。

葉っぱは、ハンマーで石を叩いて銀をさがしている少年に出会います。少年は、「いつかもどってきて話を聞かせてよ」と、葉っぱを風にのせて放します──。

チェコの童話をもとにした絵本です。水彩でえがかれた景色は、大変美しくえがかれています。このあと、葉っぱは風にはこばれ、さまざまな土地を旅します。季節は冬になり、春になり、また秋になって、少年のもとにもどってきます。お話と絵がよくあった、叙情あふれた一冊です。大人向き。

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