2013年5月1日水曜日

くったのんだわらった














「くったのんだわらった」(内田莉莎子/再話 佐々木マキ/絵 福音館書店 1978)

牧場の草のなかに、ヒバリの夫婦が巣をつくりました。ヒバリの奥さんはタマゴを生み、あたためはじめました。ところが、ある日、モグラが巣のすぐそばの地面を掘りはじめ、巣はぐらぐらと揺れだしました。「あなた、早くモグラを追い出してくださいな。これでは危なくてタマゴを抱いていられないわ」。そこで、ヒバリは、オオカミにモグラを追いだしてもらおうと、森へ飛んでいきました。

ヒバリが頼むと、オオカミは、「ごちそうをたらふく食わせてくれたら追い払ってやろう」といいだします。ヒバリは困りましたが、なんとかなるだろうと、オオカミと一緒に村にいき──。

ポーランドに民話をもとにした絵本です。絵は、佐々木マキさん独特のディフォルメがほどこされた、かたちのはっきりとした水彩。さて、ヒバリとオオカミが村にいってみると、村のひとたちは一軒の村にあつまり、結婚式のお祝いをしています。部屋に入ってきたヒバリをみて、村人たちは、「幸せな鳥だ、つかまえろ」と、ヒバリを追いかけはじめます。ヒバリがうまく村人たちを誘い出したすきに、オオカミは結婚式のごちそうを次から次へのたいらげます。ところが、森へ帰るとオオカミは、「たらふく食べたらのどが乾いた。ビールを飲ませてくれたら、モグラを追っ払ってやろう」といいだして──。ずうずうしいオオカミの申し出を、機転をきかせ、ヒバリはうまく解決にみちびきます。小学校低学年向き。

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