2013年2月27日水曜日

魔術師ガザージ氏の庭で



  「魔術師ガザージ氏の庭で」(クリス・バン・オールスバーグ/作 へんみまさなお/訳 ほるぷ出版 1981)

ヘスター嬢は、アラン・ミッツ少年に、自分が帰るまで愛犬のフリッツの面倒をみてくれるように頼みました。そこで、アランはずっと番をして、フリッツの鋭い歯から、家具類を守りました。午後になり、散歩にでかけたアランとフリッツは、横道に入る白い橋を渡りました。橋から少しいくと立札があり、そこにはこんなことが書かれていました。「絶対に、どんなわけがあっても、この先の庭にイヌを入れてはいけない!」

立札の最後には、「引退した魔術師アブドゥル・ガザージ」と記されています。立札の後ろには、つる草におおわれた壁と、開いたままの門があります。アランがもどろうとすると、フリッツはすごい力で引っ張り、首輪を切って、門のなかに入っていってしまいます──。

オールズバーグは「急行「北極号」」や「2匹のいけないアリ」などの作者。見開きの左ページに文章、右ページに絵がある構成で、絵はモノクロ。オールズバーグの緻密で幻想的な作風が、本書でも堪能できます。このあと、アランはフリッツを追いかけ、庭のなかに入っていき、ガザージ氏の大邸宅を訪れます。お話は、ページをめくるたびに思いがけない展開をみせながら続いていきます。なお、本書は「アブドゥル・ガサツィの庭園」(C.V.オールズバーグ/絵と文 村上春樹/訳  あすなろ書房 2005)と、タイトルを変えて出版されており、画像はこちらをつかっています。1980年度コールデコット・オナー賞受賞。小学校中学年向き。













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