2012年12月8日土曜日

キュッパのはくぶつかん












「キュッパのはくぶつかん」(オーシル・カンスタ・ヨンセン/作 ひだにれいこ/訳 福音館書店 2012)

森に落ちているものを拾うのが大好きな、丸太の男の子キュッパは、きょうも森でたくさんのものを拾ってきました。家に帰ると、拾ってきたものを全部床に広げました。それから、百科事典で名前を調べ、分類し、ラベルをつけました。そして、しまう場所をさがしましたが、でも、もうどこもいっぱいで、しまう場所はありませんでした。

キュッパは、困ったことがあると、町に住んでいるおばあちゃんに相談します。電話をかけると、おばあちゃんはこういいます。「そんなにものがたくさんあるのなら、おまえも博物館をつくってみたらどうだい?」

ものをあつめるのが大好きな男の子キュッパのお話です。ノルウェーの絵本で、絵はおそらく鉛筆とCGによるもの。キュッパのあつめたものが細ごまえがかれていて、みているだけで楽しくなります。また、むつかしい言葉には解説がついています。「分類」の説明はこう。「にたものどうしを あつめて しゅるいごとに わけること」。さて、おばあちゃんのアドバイスにしたがって、キュッパは博物館を開きます。努力のかいがあり、博物館には大勢のお客がつめかけるのですが、せまい部屋で眠るのも、箱につまずいて転ぶのにもうんざりしてしまったキュッパは一週間で博物館をやめてしまい──と、お話は続きます。小学校低学年向き。

以下は余談。北欧のスーパーマーケットでみつけた食品や雑貨をあつめて一冊にした本、「スーパーマーケットマニア 北欧5カ国編」(森井ユカ/著 講談社 2011)にも、ほんの少し「キュッパのはくぶつかん」が紹介されています。こちらの訳では、「クッベくん博物館をつくる」。オスロの図書館の司書に、おすすめの絵本をたずね、何冊かみせてもらったうちの一冊がこの本だったということです。

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