2012年12月23日日曜日

ぶす












「ぶす」(もとしたいづみ/文 ささめやゆき/絵 講談社 2007)

昔、ある屋敷に、太郎と次郎という2人の家来がいました。ある日、主人は2人を呼んでいいました。「このつぼには、ぶすという大変な毒が入っている。つぼのほうから吹く風に当たるだけでも死ぬという、大毒だ。わしはこれからでかけるが、くれぐれも近づかないように」

主人がでかけたあと、2人はつぼから吹く風に当たらないように逃げまわります。しかし、主人は平気でつぼをもっていたと思い、中身をみてみようと、扇であおぎながらつぼに近づいていき──。

狂言「ぶす」をもとにした絵本です。狂言のくり返しの多いが、絵本によくあっています。「あおげ あおげ」、「あおぐぞ あおぐぞ」といったセリフまわしや、擬音の表現など、狂言の面白さが、よく反映されています。絵は、さっぱりとえがかれた親しみやすい水彩。このあと、つぼの中身が黒砂糖だと知った2人は、黒砂糖を食べつくし、いいわけに掛け軸や茶碗をこわして──と、おなじみの話へ続きます。小学校低学年向き。

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