2012年7月12日木曜日

おおかみと七ひきのこやぎ









「おおかみと七ひきのこやぎ」(グリム/原作 フェリクス・ホフマン/作 せたていじ/訳 福音館書店 1967)

昔、あるところに、子ヤギを7匹育てているお母さんヤギがいました。お母さんヤギが子ヤギたちを可愛がることといったら、どのお母さんにも負けないくらいでした。ある日、食べものをさがしに森へいくお母さんヤギは、子ヤギたちにいいました。「オオカミにくれぐれも気をつけておくれ。あいつがうちに入りこんだが最後、おまえたちは丸ごと食べられちまうからね。でも、しわがれ声と、足の黒いのに気をつければ、すぐにわかるだろうよ」

さて、お母さんヤギがでかけると、オオカミがやってきてこういいます。「開けておくれ子どもたち、お母さんだよ、食べものをもってきたよ」。でも、子ヤギたちは、そのしわがれ声を聞いて、すぐオオカミと見抜きます。そこで、オオカミは雑貨屋にでかけ、大きな白墨を買うとそれを食べ、声をきれいにします──。

グリム童話をもとにした絵本です。ホフマンは、

「ねむりひめ」

など、多くの傑作をえがいた絵本作家。このあと、声はきれいでも足は真っ黒だと、オオカミを追い返した子ヤギたちでしたが、前足に練り粉と粉をつけたオオカミにだまされ、ドアを開けてしまい…と、お話は続きます。登場人物たちの擬人化や造形がじつに絶妙。また、お母さんヤギのりりしさが印象的です。小学校低学年向き。

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