2011年11月2日水曜日

ハービーのかくれが












「ハービーのかくれが」(ラッセル・ホーバン/作 谷口由美子/訳 リリアン・ホーバン/絵 あかね書房 1997)

ジャコウネズミのハービーが裏庭でイカダをつくっていると、お姉さんのミルドレッドが窓から顔を突きだしていいました。「ハービー、やめてよ。うるさいじゃないの。いま詩をつくっているところなのよ」「いやだよ、カナヅチもクギも板も丸太もここにあるんだもん。お姉ちゃんこそどこかにいって詩を書けばいいんだ」。お母さんにも怒られたハービーは、池のむこう岸に泳いで渡り、そこでイカダを完成させます。そして、わざとミルドレッドがみえるところまでイカダをこいで、そこで釣りをしていると、ミルドレッドが声をかけてきます。「そのイカダに乗せてくれない?」「やあだよ。これは、うちでもないし、裏庭でもないんだから。ぜんぶぼくのものだよ。だあれも乗せないよ」

こうして、またいいあらそった2人は、帰ってきたお父さんに罰を受けます。それでも2人はこりません。「あした、すてきなパーティーにいくのよ。弟なんか呼ばれないパーティーよ」と、ミルドレッドがいうと、ハービーもいい返します。「秘密の場所で、秘密クラブの会があるんだ。お姉ちゃんなんか仲間に入れないクラブなんだから」──。

「ジャムつきパンとフランシス」(好学社 2011)などのフランシス絵本で高名な、ホーバン夫妻による絵本です。絵は、魅力的な水彩。このあと、パーティーやクラブを盛んに自慢しあう2人でしたが、偶然たがいの実情を知ってしまい仲直りをします。けんかばかりしている姉弟の姿がいきいきとえがかれた読物絵本です。小学校中学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿