2011年9月14日水曜日

ひよこのかずはかぞえるな












「ひよこのかずはかぞえるな」(イングリ・ドーレア/作 エドガー・パーリン・ドーレア/作 せたていじ/訳 福音館書店 1980)

朝、オンドリが「こけこっこう!」時を告げました。メンドリがタマゴを生むと、オンドリは自分で生んだように得意になってまた鳴きました。飼い主のおばさんが起きてきて、タマゴをみて、「よそのメンドリはすぐ休むけど、うちのは毎日かならず生んでくれる」と喜びました。タマゴ棚をたしかめてみると、タマゴは3ダース、36個あったので、おばさんはタマゴを町にもっていって売ってこようと思いました。

町へ歩いていく途中、おばさんはいろいろ考えごとをします。この玉子は一体いくらになるだろう。売ったお金でメンドリを2羽買おう。3羽のメンドリは毎日タマゴを生むから、いまの3倍タマゴをもって市場にはこぶぼう。そしてまた、メンドリを3羽買って、こんどは生んだタマゴを半分売って、残りはヒヨコにかえして、そのうち鳥小屋はいっぱいになって、わたしは大儲け──。

タマゴを売りに町へゆく道すがら、とらぬ狸の皮算用をするおばさんのお話です。カラーと白黒のページが交互にくる構成で、絵は色鉛筆でえがかれたおだやかな味わいのもの。このあとも、ガチョウを2羽と子羊を1匹買って、羽と毛を売って、ブタを2匹、牛を1頭買って、ある日結婚を申しこまれて…と、おばさんの妄想はとどまること知りません。ところが、最後に思わず声を上げそうになるオチが待っています。似た話の絵本にアンデルセン原作の「おおきなおとしもの」があります。小学校低学年向き。

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