2011年9月30日金曜日

まほうつかいのノナばあさん












「まほうつかいのノナばあさん」(トミー・デ・パオラ/作 ゆあさふみえ/訳 ほるぷ出版 1978)

昔、イタリアのカラブリアという町に、「魔法使いのおばあさん」という意味の、ストレガ・ノナと呼ばれるおばあさんが住んでいました。ストレガ・ノナのところには、司祭さまも修道女さまもやってきて、油と水とヘアピンで頭が痛いのを治してもらったり、いぼをとってもらったりしていました。でも、だんだん年をとってきたストレガ・ノナは、うちの掃除や畑仕事を手伝ってくれるひとがほしくなりました。そこで、町の広場に「手伝ってくれるひと求む」と貼り紙をだしました。

貼り紙をみてやってきたのは、うっかり者でノッポのアンソニイでした。ストレガ・ノナはアンソニイに仕事を教えると、スパゲッティをゆでる釜を指さしていいました。「あの、スパゲッティをゆでる釜には、けっしてさわっちゃいけないよ」

ある日の夕暮れ、アンソニイがヤギのミルクをしぼっていると、ストレガ・ノナがなにやらうたっているのが聞こえました。窓からのぞきこむと、ストレガ・ノナはスパゲティの釜のそばに立ち、うたうと、釜がブクブク煮え立って、あっというまに釜がスパゲッティでいっぱいになりました。「あれこそは、魔法の釜にちがいない」と、アンソニイは思いました──。

イタリアの昔話をもとにした絵本です。このあと、アンソニイはストレガ・ノナのうたう歌をおぼえるのですが、最後にストレガ・ノナが魔法の釜に3回キスするところを見逃してしまいます。そして、ストレガ・ノナが家を留守にしたある日、アンソニイは歌をうたい、釜をスパゲッティでいっぱいにするのですが…と、お話は続きます。魔法の止めかたがわからなくなってしまった、魔法使いの弟子のお話です。1976年度コールデコット賞オナー賞。このノナばあさんの本はシリーズ化したらしく、、「まほうつかいのノーナさま」というシリーズ名で、偕成社から3冊出版されています。小学校中学年向き。

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