2011年9月22日木曜日

ちいさなちいさなおばあちゃん












「ちいさなちいさなおばあちゃん」(エルサ・ベスコフ/作 いしいとしこ/訳 偕成社 2001)

家のなかには、小さな小さなテーブルと、小さな小さな椅子と、小さな小さな腰かけと、小さな小さな手おけがありました。そして、ニャーンと鳴く、小さな小さなネコもいました。それに、牧場にはモォーと鳴く、小さな小さな牝牛がいました。

ある日、小さな小さなおばあちゃんは、小さな小さな手おけをもって、小さな小さな牝牛のミルクをしぼりにいきます。そして、おばあちゃんは、小さな小さなテーブルの上に、ミルクを置くのですが、そこに小さい小さいネコがやってきて──。

スウェーデンの絵本作家、エルサ・ベスコフのデビュー作です。絵と文章は右側のページにだけ描かれ、左側のページは白紙です。絵は、草花で縁どられた輪のなかに、着色された線画でえがかれています。物語の最後で、ミルクを勝手に飲んだネコは家から追いだされてしまうのですが、そのページの下には、小さい字でこう記されています。「でもね やっぱり、そのうちに おばあちゃんちへ かえったと おもいますよ」。巻末の「作者と作品について」によれば、この一文は、子どもたちがネコの心配をしないようにと、初版から50年後、作者がつけ加えたものだということです。小学校低学年向き。

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