2011年9月21日水曜日

ふわふわくんとアルフレッド












「ふわふわくんとアルフレッド」(ドロシー・マリノ/作 石井桃子/訳 岩波書店 1977)

オモチャのクマのふわふわくんは、アルフレッドが赤ん坊のときからの友だちでした。はじめは、ふわふわくんのほうが大きかったのですが、いまはアルフレッドのほうが大きくなりました。アルフレッドが朝ごはんを食べるときは、ふわふわくんはその脇にすわりました。アルフレッドが夜眠るときは、ふわふわくんも一緒に眠りました。

ところが、ある日、郵便屋さんがアルフレッドに大きな箱をもってきます。開けてみると、なかにはトラのオモチャが入っています。トラにしましまくんと名前をつけたアルフレッドは、ふわふわくんをオモチャ箱に放りこみ、しましまくんと朝ごはんを食べ、しましまくんと一緒に眠るようになります──。

幼年向きの読物絵本です。絵は、親しみやすい線画で、ところどころ赤で塗られています。このあと、木の下で、積み木で家をつくっていたアルフレッドは、「どうしてぼくも仲間に入れてくれないの」という、ふわふわくんの声を耳にします。「ぼくは新しいトラのオモチャと遊ぶんだよ」と、アルフレッドがふわふわくんを放り投げるのですが、ふわふわくんは木の枝にまたがって、降りてこなくなってしまいます。困り果てたアルフレッドが泣きだすと、お母さんとお父さんがやってきて…と、物語は続きます。ファンタジーと現実がたくみに混ざりあった一冊です。小学校低学年向き。

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