2011年5月9日月曜日

ろばのとしょかん












「ろばのとしょかん」(ジャネット・ウィンター/文と絵 福本友美子/訳 集英社 2011)

コロンビアのジャングルの奥に、ルイスという本を読むのが大好きなひとが住んでいました。ルイスの家は本でいっぱい。「こんなにたくさんどうするのよ。本はおかずになりゃしない」と、奥さんのダイアナは小言をいいました。そこで、ルイスは頭をひねり、いいことを思いつきました。「はるか遠い山のむこうに、本が1冊もないひとたちがいる。そこへ本を届けよう。1頭のロバに本を積み、もう1頭には──ぼくと本!」

ルイスは買ってきた2頭のロバに、アルファとベットと名前をつけます。ロバの背中にかける本箱をつくり、ペンキで「ろばのとしょかんーBIBLIOBURROー」と書き、ダイアナが本をならべて出発します。

このあと、毎週ルイスはアルファとベットをつれて、国中の小さな村を訪ねて歩きます。川を渡るのをいやがるベットを引っ張ったり、途中、追いはぎに襲われたり(追いはぎは本を1冊だけとっていく)しながら、子どもたちに本を届けます。絵は、メリハリのきいた厚塗りのもの。文字と絵のバランスがよくできています。本の最初にコロンビアの地図が、巻末には作者による解説がついています。副題は「コロンビアでほんとうにあったはなし」。巻末の解説にはこんな文章が記されています。

「本を読むのが大好きなルイスさんは、小学校で子どもたちを教えた経験から、読書には、形を変えて大きくなっていく力があることを知っていました」

「2000年から、ルイスさんは2頭のロバに本をつみ、いくつかの村に運びはじめます。70冊ばかりの本からはじめ、やがて4800冊をこえました」

小学校中学年向き。

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