2011年4月21日木曜日

ひよこのコンコンがとまらない












「ひよこのコンコンがとまらない」(ポール・ガルドン/作 福本友美子/訳 ほるぷ出版 2007)

昔むかし、めんどりのコッコさんが、ひよこのタッペンを連れて森にでかけました。「大きいタネは食べちゃだめ。のどにつまってコンコンがでるからね」と、コッコさんはいいましたが、しばらくすると、大きいタネを飲みこもうとしたタッペンは、コンコン、コンコン…、せきがとまらなくなりました。

タッペンに水を飲ませなきゃと、コッコさんはあわてて泉にいきます。「泉さん、泉さん、水を少しちょうだい。タッペンのコンコンがとまらないの」。すると、泉はこたえます。「コップをもってくれば、分けてあげるよ」。そこで、コッコさんはカシの木を訪ねます。「カシの木さん、カシの木さん、コップを1つちょうだい。コップがなければ、泉の水がくめない、水がなければ、タッペンのコンコンがとまらないの」。すると、カシの木はこたえます。「だれかが、枝をゆすってくれたら、コップをあげるよ」。そこで、コッコさんは木こりの息子のところに駆けていきます。「ぼうや、ぼうや、カシの木の枝をゆすってちょうだい。ゆすらなければ、カシの木がコップをくれない、コップがなれけば、泉の水がくめない、水がなければ、タッペンのコンコンがとまらないの」──。

北欧の昔話をもとにした絵本です。このあと、コッコさんは、靴屋、雌牛、お百姓さん、鍛冶屋、そして鉱山ではたらく小人たちを訪ねます。話のかたちは、「きょうはよいてんき」(ナニー・ホグロギアン/作 あしのあき/訳 ほるぷ出版 1978)とそっくりです。ガルトンはこの絵本でも、アップを多用した、生き生きとした絵をえがいています。最初、なぜ、カシの木にコップをもとめるのだろうと思うのですが、ラストの絵をみると、なるほどこれがコップなのかと納得します。小学校低学向き。

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