2011年4月7日木曜日

アツーク












「アツーク」(ミッシャ・ダムヤン/文 ジャン・カスティ/絵 尾崎賢治/訳 ペンギン社 1978)

サケが川をのぼってくるころ、5歳になったアツークは、お父さんから茶色の子犬と、きれいな色を塗ったソリをもらいました。アツークは大喜びで、子犬にタルークという名前をつけて、いつも一緒に遊びました。アザラシを穫る季節がくると、アツークはタルークを狩りに連れていってくれるようにお父さんに頼みました。そうすれば、タルークは長い旅に慣れるし、年上の犬と力をあわせてソリを引っ張ることをおぼえるでしょう。ところが、お父さんが狩りから帰ってきたとき、タルークの姿はみえませんでした。「アツーク、おまえの犬はオオカミにかみ殺されてしまった」と、お父さんはいいました。

その日から、アツークはオオカミをやっつけることだけを考えます。ツンドラのだれもが恐れる狩人に成長したアツークは、ついにオオカミを倒すのですが──。

副題は「ツンドラの子」。作者のミッシャ・ダムヤンはマケドニアの生まれで、スイスに移住したひとだそうです。絵を描いたジャン・カスティはスイスのひと。絵は大胆な筆づかいの、それでいて必要なことが充分にえがかれたものです。オオカミを倒したところで話が終わらないのが印象的です。小学校低学年向き。

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