2010年12月22日水曜日

ちいさなリスのだいりょこう

「ちいさなリスのだいりょこう」(ビル・ピート/作絵 山下明生/訳 佼成出版社 1982)

都会の公園にあるカシの木に、マールという若くて臆病なリスが住んでいました。マールは、車の音や大きな灰色のビルディングに、いつもびくびくしていました。知らない国の話を聞くのが大好きなマールは、ある日、人間たちがこんなことを話しているのを聞きました。「西部のでっかい木にはぶったまげたぜ。そこらのビルディングよりももっと高くて、自分がありんこになった気持ちだったな──」。そこで、マールは勇気をだし、電線をつたって西部へいってみることにしました。

でも、リスの足ではそう遠くへはいけません。一日かけても町の外にでられなかったマールは、西部のでっかい木をみにいくことをあきらめて、公園にもどろうとします。が、電線に引っかかった凧をほどいていたところ、風が吹き、マールは凧と一緒に空に舞い上がってしまい──。

臆病者のリスが凧のシッポにつかまって、空を旅し、ついに西部にたどり着くというお話です。絵は、おそらくペンと色鉛筆をつかったもの。砂漠に落っこちそうになったり、竜巻に吹き飛ばされたりする、小さなリスの大冒険が溌剌とえがかれています。小学校低学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿