2010年11月15日月曜日

なんでもふたつ










「なんでもふたつ」(リリー・トイ・ホン/作 せきみふゆ/訳 評論社 2005)

昔、小さな家に、ハクタクじいさんがおばあさんと住んでいました。ふたりは年寄りで、その上とても貧乏でした。ある春の朝、庭をたがやしていたハクタクじいさんは、土のなかから、真鍮でできた大きなかめを見つけました。なくさないように、サイフをかめのなかに入れ、家まではこんで帰ると、かめをおばあさんに見せました。かめをのぞきこんだおばあさんは、髪飾りを落としてしまいました。が、拾い上げてみると、髪飾りもサイフも2つになっていました──。

ハクタクじいさんとおばあさんは、サイフをかめに出し入れして、床を金貨でいっぱいにします。ところが、翌朝、ハクタクじいさんが買いものにいっているあいだ、おばあさんはかめのなかに落ちてしまい──。

なかにものを入れると、それが2つになって出てくるという、不思議なかめのお話。中国の昔話をもとにした絵本です。話はちょっとだけ「ひゃくにんのおとうさん」と似ています。絵は、太い描線にフラットな色づけがなされた切り絵風のもの(切り絵?)。タイトル通りなんでも2つになり、一時はどうなることかと思いますが、最後にはなにもかもうまくいきます。小学校低学年向き。

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