2010年11月10日水曜日

おちゃのじかんにきたとら












「おちゃのじかんにきたとら」(ジュディス・カー/作 晴海耕平/訳 童話館出版 1994)

あるところに、ソフィーという名前の小さな女の子がいました。ソフィーとお母さんが、台所でお茶の時間にしようとしたとき、突然、玄関のベルが鳴りました。牛乳屋さんかしら、雑貨屋の男の子かしら、お父さんかしらと、お母さんはいろいろ考えましたが、ソフィーがドアを開けてみると、そこには大きくて毛むくじゃらのトラがいました。「ごめんください。ぼく、とてもお腹がすいているんです。お茶の時間にご一緒させていただけませんか?」とトラがいったので、お母さんは、「もちろんいいですよ。どうぞお入りなさい」といいました。

お腹をすかせたトラは、パンもサンドイッチもパンもビスケットもケーキも牛乳もお茶も、みんな食べてしまいます。それでも、まだ足りなくて、トラは台所をみまわします。

お茶の時間にあらわれたトラのお話。ありえないお話を、じつに楽しくえがいています。トラは大きくて可愛らしく、大変魅力的。ソフィーがトラに抱きついたり、尻尾に頬ずりしたりしている絵など、トラの生きている感じがつたわってくるようです。そして、トラが去ったあとの展開もまた、これ以外に考えられない素晴らしいものです。小学校低学年向き。

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