2010年10月13日水曜日

パンはころころ

「パンはころころ」(マーシャ・ブラウン/作 やぎたよしこ/訳 富山房 1994)

昔、おじいさんとおばあさんがいました。ある日、おじいさんが、「なあ、ばあさんやわしにパンをつくっておくれ」といいました。うちには粉がないんですと、おばあさんがいうと、おじいさんは、「こね鉢の底ひっかいて、粉箱の底はいてみな。粉はたっぷりとれるとも」といいました。そこで、おばあさんは、めんどりの羽でこね鉢の底をひっかき、粉箱の底をはいて、粉をふたつかみ手に入れると、パンを焼き上げ、窓辺でさましておきました。

おだんごぱん」の類本の一冊です。このあと、窓辺でおとなしくしていたパンは、突然ころころ転がりだし、広い世間へでていき、ノウサギやオオカミやクマやキツネと出会います。パンのうたう歌は、この本ではこんな感じです。

「こねばちの そこ ひっかいて、
 こなばこの そこ はいたらば、
 こなが とれたよ、ふたつかみ。
 その こな こねて、
 クリーム まぜて、
 こんがり やいて、
 まどの ところで さまして できた、
 それが この ぼく、パンさまだ。
 ぼくは ふたりも だましたよ。
 おばあさんから ひらりと にげて、
 おじいさんから するりと にげて、
 あんたからだって にげだすよ。
 にげだしちゃうよ、のうさぎさん!」

小学校低学年向き。

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