2010年9月28日火曜日

小さな乗合い馬車










「小さな乗合い馬車」(グレアム・グリーン/文 エドワード・アーディゾーニ/絵 阿川弘之/訳 文化出版局 1976)

ポッターおじさんの店には、店員が3人、配達小僧のティム、ネズミよけのネコが3匹、それからブランディという名前の子馬が1頭いました。ブランディは、前のもち主にいじめられていたので、ポッターさんはこの馬を買いとり、店の裏庭で子どもたちの遊び相手をさせていました。ある日、道のむこうに「えいせい商会かぶしき会社」という、大きな新しい食料品屋ができました。そのため、おじさんの商売はだんだん苦しくなっていき、店員はひとりまたひとりといなくなってしまいました。しまいには3匹のネコまでがいなくなり、小僧のティムだけが残りました。

「えいせい商会」では、お客さんの買い物を2輪馬車で配達します。2輪馬車がうちの前に停まると、大人たちは自分がえらくなったような気がするのです。いっぽう、すっかり落ちこんで、眠れない夜をすごしていたポッターおじさんは、倉庫から小さな乗合い馬車をみつけます。おじさんは、ティムを御者にし、ブランディに乗合い馬車を引かせることを思いつきますが、店に客はもどってきません。ところが、このあと大事件が起こります──。

「第三の男」などで高名なグレアム・グリーンの原作による絵本です。話はこのあと、「えいせい商会」の売上金を狙った盗難事件と、泥棒を追いかけるブランディと小さな乗合い馬車の活躍へと続きます。途中から、小さな乗合い馬車が人格をもったように描かれているのが、少し不思議なところです。小学校中学年向き。

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