2010年9月30日木曜日

私の船長さん












「私の船長さん」(M.B.ゴフスタイン/作 谷川俊太郎/訳 ジー・シー 1996)

私のいる棚の下の窓枠には、いっそうの漁船がいかりを下ろしています。そこからは、潮の香りがただよってきます。私は、なぜか船長さんが私に会いに上がってくるような気がします。そして、私は思います。彼はすぐに気づくだろう。私がビンのなかの船をもっていることや、貝がらをあつめていることに――。

小さな人形の〈私〉が、船長との静かな恋を想いえがく、という絵本です。人形の〈私〉は、こんなことを思います。

《もし私が船長さんに
 何かをすすめるとして、
 テーブルにブリストルのお皿と
 銀の塩とコショウ入れをならべたら、
 彼はきっと自分の運のよさに
 びっくりすることだろう!》

シンプルこの上ない線画とことばが、読む者の胸に迫ります。大人向き。

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