2010年9月17日金曜日

おさらをあらわなかったおじさん












「おさらをあらわなかったおじさん」(フィリス・クラジラフスキー/文 バーバラ・クーニー/絵 光吉夏弥/訳 岩波書店 1978)

町はずれの小さな家に、おじさんが住んでいました。おじさんはひとりっきりで暮らしていたので、いつも自分で晩ごはんをつくり、自分で掃除をし、自分で寝床のしたくをしていました。ある晩、いつもよりずっとお腹をすかせて帰ってきたおじさんは、うんとたくさん晩ご飯をつくりました。けれど、あんまりたくさんだったので、食べ終わったときには、お腹がはち切れそうになり、すっかりくたびれてしまいました。そこで、お皿は流しに放っておいて、あすの晩洗うことにしました。

ところが次の晩、おじさんは倍もお腹をすかせていたので、倍も晩ごはんをつくり、そして食べ終わったときにはすっかりくたびれてしまったので、お皿はまた流しに入れたままにします。それから、洗わないお皿はどんどん増え続け、流しからあふれ、テーブルを占領し、ついには部屋を埋めつくしてしまいます。

タイトル通り、お皿をあらわなかったおじさんのお話です。どんどん状況がエスカレートしていくさまが楽しいです。クーニーの絵が、ともすると品が悪くなってしまうお話を品のよいものにしています。小学校低学年向き。

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