2010年4月20日火曜日

おおきなかしの木












「おおきなかしの木」(エリザベス・ローズ/文 ジェラルド・ローズ/絵 ふしみみさを/訳 岩波書店 2006)

昔むかし、かしの木からポロリと落ちたドングリを、リスがみつけました。はこぶ途中、ふいにフクロウが襲いかかってきて、驚いたリスはドングリを落としてしまいました。地面に落ちたドングリは、何年も何年もかけて、みごとな、美しい木に成長しました。秋になると、イノシシたちがドングリを食べにやってきました。かしの根元には、キツネの一家が巣をつくりました。そのうち、きこりたちがやってきて、かしの周りの木を切り倒し、軍艦をつくり、それに乗って新大陸をめざしました。

いつしか、かしのそばには家が建ち、村ができます。ただ1本残ったかしの木は、広場の真ん中で大きく枝を広げ、その土地の人々に愛されます。けれど、突然思いがけないことが起こります。

千年以上生きた、あるかしの木の物語です。淡々とした文章が大きな時間の流れを感じさせます。めりはりの効いた、おおらかな絵も魅了的です。小学校低学年向き。

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