2010年4月8日木曜日

パンのかけらとちいさなあくま












「パンのかけらとちいさなあくま」(内田莉莎子/再話 堀内誠一/画 福音館書店 1992)

あるところに、貧乏なきこりがいました。ある日、きこりがいつものように森にいき、切り株の上にお弁当のパンのかけらを置いてはたらきはじめると、小さな悪魔があらわれて、きこりのパンを盗んでいきました。小さな悪魔は、悪魔のすみかに飛んで帰ると、得意顔でパンを盗んだことをいいました。すると、大きな悪魔たちはかんかんになって怒りました。「なんてやつだ! 貧乏なきこりの大事なお弁当じゃないか。さ、いますぐあやまりにいけ。そして、お詫びのしるしに、きこりのためにはたらいてこい」

さて、お詫びをいいにきた小さな悪魔に、きこりは荒れはてた沼地を麦畑にできるかどうかたずねます。できますと、小さな悪魔がこたえたので、地主の許しをもらってくると、小さな悪魔はあっというまに沼地を麦畑に変えてしまいます。おかげで、見渡すかぎりの畑に麦が実るのですが、そこに地主があらわれて、麦を1本残らず刈りとっていってしまいます。2人はおいおい泣きましたが、小さな悪魔はすぐに元気をとりもどし、麦をとり返しに地主のもとへむかいます──。

リトアニアの民話をもとにした絵本です。小さな悪魔が大活躍するお話。パンのかけらを盗んだら、大きな悪魔に怒られたというのがおかしいです。また、お話のスケールの大きさを、絵がよく表現しています。小学校低学年向き。

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