2010年3月4日木曜日

だいくとおにろく









「だいくとおにろく」(松居直/再話 赤羽末吉/絵 福音館書店 1978)

昔、あるところに、とても流れの早い大きな川がありました。あまり流れが早いので、何度橋をかけても、たちまち流されてしまいます。そこで、村の人たちは、このあたりでいちばん名高い大工に頼んで、橋をかけてもらうことにしました。 ひきうけた大工が川をじっとながめていると、川のなかから大きな鬼があらわれました。そして、鬼はいいました。「おまえの目玉をよこしたら、おれがおまえに代わってその橋かけてやってもええぞ」。大工が適当な返事をすると、翌日には橋が半分できており、翌々日には完成していました。「さあ、目玉をよこせ」と、鬼はせまりますが、もちろん大工は、あげるわけにはいきません。すると鬼はこういいます。「おれの名前を当てれば許してやってもええぞ」──。

ご存じ、「だいくとおにろく」のお話です。本書は日本の昔話絵本の代表作のひとつ。赤羽末吉さんが素晴らしい技量をみせています。小学校低学年向き。

以下は余談です。たしか、作者の松居直さんが「オチを割ったタイトルをつけてしまったのが心残りだ」と、なにかに書かれていたような気がします。

余談その2。『昔話の東と西』という本によれば、「大工と鬼六」の話は、もともとは日本の話ではなく、教会建立説話が変形してできたものだそうです。

《日本在来の民話だと思い込まれていた「大工と鬼六」が実は、聖者と魔物が登場する北欧の教会建立伝説が、英語からの翻訳に基づく翻案の口演〔大正・昭和期の口演童話運動の一環〕により日本に移入され、民間に口承されされ、それが再び採録されて活字となったものであることが、疑いの余地を全く残さず確証されている(「昔話の東と西」鈴木満 国書刊行会 2004)》

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