2009年12月2日水曜日

こびととくつや












「こびととくつや」(グリム/原作 カトリーン・ブラント/絵 藤本朝巳/訳 平凡社 2002)

昔、あるところに正直者の靴屋がいました。せっせとはたらいていましたが、だんだん貧しくなり、とうとう手元には靴一足分の皮のほかにはなにもなくなってしまいました。その皮を靴のかたちに切りとり、翌朝ぬい上げるつもりでいたところ、驚いたことに靴が一足できあがっていました。それも、素晴らしい仕上がりです。その靴は普通より高く売れたので、靴屋は皮を2足分買うことができました。つぎの日も同じことが起こり、靴屋は4足分の皮を買うことができました。それから、毎日同じことが起こり、靴屋はしまいには大金持ちになりました。そして、ある晩、靴屋とおかみさんは一体だれが仕事を手伝ってくれているのか、夜通し見張ってみることにしました。

夜になってやってきたのは2人の裸のこびとたち。2人が靴をつくってくれたと知った靴屋とおかみさんは、こびとのために洋服と靴をつくってあげます。おなじみグリム童話のお話を絵本にしたもの。背景をはぶいた絵が、逆に物語を際だたせることに成功しています。洋服や靴をもらったこびとたちは、歌をうたい踊るのですが、その姿がたいへん愛らしいです。小学校低学年向き。

0 件のコメント:

コメントを投稿