2009年10月21日水曜日

ふしぎなしろねずみ










「ふしぎなしろねずみ」(チャンチョルムン/文 ユンミスク/絵 かみやにじ/訳 岩波書店 2009)

雨がしとしと降るある日のこと、おじいさんは昼寝をし、おばあさんは縫い物をしていました。ふと、おじいさんの鼻の穴から、かさこそと音が聞こえてきたので、おばあさんがのぞいてみると、おじいさんの鼻の穴から、小さな白ねずみが出たり入ったりしていました。そのうち、白ねずみはおじいさんの鼻からでて、うちのそとにむかいました。いったいどこにいくのでしょう。

韓国の昔話。このあと、おばあさんは、うちを出たねずみが水たまりを渡れなくて困っているところを助けたり、牛の糞をほおばるところをながめたりしますが、途中で見失ってしまいます。ところが、うちに帰ってしばらくたつと、白ねずみがあらわれて、おじいさんの鼻にもどり、すると、おじいさんは目をさまして、いまみていた夢を話しだします。その夢は、おばあさんが白ねずみを追いかけていたときのこととまるきり同じなのですが、おじいさんは「こがねの入ったつぼ」をみつけたといいだして──と、物語は続きます。絵は味わい深く、色鮮やか。雨の場面と晴れた場面のコントラストが素晴らしいです。小学校中学年向き。

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