2009年10月1日木曜日

みにくいむすめ












「みにくいむすめ」(レイフ・マーティン/作 デイヴィッド・シャノン/絵 常盤新平/訳 岩崎書店 1996)

昔、オンタリオ湖のほとりにある村に、「見えない人」が住んでいました。たいそう立派な人で、お金持ちで力もち、おまけにりりしい顔をしているともっぱらの噂でした。けれど、だれもその姿をみることはできませんでした。この村には、ひとりの貧しい男が住んでいて、3人の娘がいました。上の2人は心のつめたい、ひどい人たちで、いつも末の妹をいじめていました。ある日のこと、姉さんたちは着かざって、、見えない人のところにやってきました。2人はみえない人と結婚したかったのですが、結婚するためには見えない人が見えなければいけません。2人は見えない人をみることができませんでした。

ネイティブ・アメリカンのアルゴンキン族に伝わるシンデレラ物語です。この後、末の妹が、粗末な材料で一生懸命お洒落をして、見えない人のもとを訪れます。シンデレラというと、ガラスの靴のせいか、足元ばかり気にしているような気がしますが、この物語のシンデレラは、はるばると空を見上げます。シンデレラ物語はこんなに壮大な話にもなるのかとびっくりします。厚塗りの絵が物語の雰囲気によくあっています。現在品切れ。小学校中学年向け。

余談ですが、シンデレラ物語の類話は世界で1500ほどもあるそう。みんなシンデレラが好きなのです。

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